退職金の税金・手取り計算(令和8年分の退職所得控除・速算表)
退職金の額と勤続年数を入れるだけで、税金がかからない額(退職所得控除)と、所得税・住民税・手取りがわかります。勤続年数別・退職金の額別の表で、何年勤めるといくら残るかも比べられます。
退職金と勤続年数
当てはまる人だけ
勤続年数を変えたら(今の退職金の額で)
退職金の額を変えたら(今の勤続年数で)
※ 国税庁「源泉徴収のしかた(令和8年分)」の課税退職所得金額の算式と「退職所得の源泉徴収税額の速算表」による計算です。課税退職所得金額は1,000円未満を切り捨て、所得税は復興特別所得税(2.1%)込みで1円未満を切り捨て、住民税は市町村民税6%・道府県民税4%(それぞれ100円未満切り捨て)です。同じ年に区分の違う退職金を2つ以上受け取る場合や、勤続期間の一部だけ役員だった場合は計算が変わります。死亡退職金は所得税ではなく相続税の対象です。
退職金を受け取る前に
退職金の受け取り方、年金・健康保険・税金の手続き、老後の生活費・住宅ローンの返済・運用への分け方を、受け取る前にまとめて知っておけます。
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退職金の税金・手取り計算とは
退職金(退職手当・一時金)は、給料とは別に「退職所得」として税金を計算します。勤続年数に応じた退職所得控除を引き、残りを半分にした額にだけ税金がかかるので、給料よりずっと税金が軽くなっています。このツールは、退職金の額と勤続年数から、国税庁の「退職所得の源泉徴収税額の速算表(令和8年分)」で所得税を、10%の税率で住民税を計算し、手取りを出します。
退職所得控除は、勤続20年までは1年につき40万円(最低80万円)、20年を超えた分は1年につき70万円です。勤続年数の1年未満の端数は切り上げるので、29年6か月なら30年、控除は1,500万円です。退職金がこの控除の範囲に収まれば、所得税も住民税もかかりません。たとえば勤続30年で退職金1,700万円なら、課税されるのは(1,700万円−1,500万円)÷2=100万円で、所得税は51,050円、住民税は10万円です。
勤続5年以下の人は注意が必要です。役員でない人の勤続5年以下の退職金(短期退職手当等)は、控除を引いた残りが300万円を超える部分に「半分にする」決まりが使えません。役員としての勤続が5年以下の役員の退職金(特定役員退職手当等)は、半分にせずに全額に課税されます。会社員の途中入社や転職、役員の退職金を考えるときは、区分を選んで計算してください。
退職金を受け取るときに会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を出すと、正しい税金が天引きされて確定申告はいりません。出さないと、退職金の20.42%が一律で天引きされ、払いすぎた分は確定申告で取り戻します。iDeCoの一時金や、前の会社の退職金を近い時期に受け取った人は、勤続期間が重なる年数の分だけ控除が減ります。計算はすべてブラウザの中で行い、入力した金額はサーバーに送りません。
使い方
- 退職金の額(額面・万円)を入れます。会社の退職金規程の試算や、退職金の通知書の金額を使います。
- 勤続年数を年と月で入れます。1年未満の端数は自動で切り上げます(入社日から退職日まで。休職期間なども原則として含みます)。
- 役員かどうか、障害者になったことが直接の理由で退職するかを選びます。勤続5年以下だと短期退職・特定役員の計算に自動で切り替わります。
- iDeCoの一時金や前の退職金と勤続期間が重なる人は、重なる年数を入れます。「申告書を出さない」を選ぶと、20.42%で天引きされる額と、確定申告で戻る額も出ます。
退職金の税金の計算のしかた
退職金の税金は、次の3つの段階で計算します。まず勤続年数から退職所得控除を出し、退職金から引きます。次に、残りを半分にして「課税退職所得金額」を出します(1,000円未満は切り捨て)。最後に、この金額に所得税の速算表を当てはめ、復興特別所得税を足して102.1%にします。住民税は課税退職所得金額の10%です。退職所得はほかの所得と分けて計算するので、その年の給料や年金がいくらあっても、退職金の税金は変わりません。
| 勤続年数 | 退職所得控除 | 税金がかからない退職金 |
|---|---|---|
| 2年以下 | 80万円 | 80万円まで |
| 10年 | 400万円 | 400万円まで |
| 20年 | 800万円 | 800万円まで |
| 25年 | 1,150万円 | 1,150万円まで |
| 30年 | 1,500万円 | 1,500万円まで |
| 35年 | 1,850万円 | 1,850万円まで |
| 38年 | 2,060万円 | 2,060万円まで |
| 40年 | 2,200万円 | 2,200万円まで |
勤続20年を超えると1年あたりの控除が40万円から70万円に増えるので、長く勤めるほど税金は軽くなります。大学を出て定年まで勤めた人(38年前後)は、退職金が2,000万円ほどまでなら税金がかからないことが多いです。
勤続5年以下・役員の退職金
役員でない人の勤続5年以下の退職金は「短期退職手当等」として、控除を引いた残りが300万円までは半分にし、300万円を超えた部分はそのまま課税します。役員としての勤続年数が5年以下の役員の退職金は「特定役員退職手当等」として、控除を引いた残りの全額に課税します。転職が多い人や、会社を作って数年で役員退職金を受け取る人は、思ったより税金が高くなることがあるので、受け取る前に計算しておくと安心です。
iDeCo・企業型DCの一時金と受け取る順番
iDeCoや企業型DCの一時金も退職所得です。掛金を出した期間が「勤続年数」になり、会社の退職金と近い時期に受け取ると、期間が重なる年数の分だけ控除が減ります。iDeCoを先に受け取る場合、2026年1月1日以後は退職金まで10年以上あけないと控除が重なります(以前は5年)。iDeCoの掛金でいくら税金が減るか、受け取るときにいくらになるかはiDeCo 節税シミュレーションで計算できます。
受け取ったあとに
退職金を受け取ったあと、毎月いくらずつ使えば何歳までもつかは老後資金 取り崩しシミュレーションで、運用に回したときの増え方はNISA 積立シミュレーションで、住宅ローンの繰上返済に使うときの得は繰上返済シミュレーションで計算できます。年の途中で退職して再就職しなかった人は、給料の分の所得税が確定申告で戻ることが多いので、確定申告が必要か判定で確かめてください。再就職したときの手取りは手取り計算で出せます。退職金で生活しながら年金の受け取りを遅らせる(繰下げ受給)と得かどうかは、年金 繰下げ・繰上げ受給の損益分岐シミュレーションで比べられます。
よくある質問
退職金の税金はいくらですか?
(退職金−退職所得控除)÷2 に、所得税(5〜45%の累進税率と復興特別所得税2.1%)と住民税10%がかかります。勤続38年で退職金2,000万円なら、控除は2,060万円で税金はかかりません。勤続30年で2,000万円なら、課税されるのは250万円で、所得税は約15.6万円、住民税は25万円、手取りは約1,959万円です。
退職所得控除はいくらですか?
勤続20年までは40万円×勤続年数(80万円に満たないときは80万円)、20年を超えるときは800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。10年なら400万円、20年なら800万円、30年なら1,500万円、40年なら2,200万円です。障害者になったことが直接の理由で退職したときは、さらに100万円が足されます。
退職金に確定申告は必要ですか?
会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、正しい所得税と住民税が天引きされるので、原則として確定申告はいりません。出していないと退職金の20.42%が天引きされるので、確定申告をすると払いすぎた分が戻ります。年の途中で退職して再就職しなかった人は、給料の分の年末調整がされていないので、別に確定申告で所得税が戻ることがよくあります。確定申告がいるかどうかは「確定申告が必要か判定」で確かめられます。
勤続5年以下だと税金が高くなるのはなぜですか?
短い勤続で大きな退職金を受け取って税金を軽くすることを防ぐため、役員でない人の勤続5年以下の退職金は、控除を引いた残りのうち300万円を超える部分を半分にしない決まりです(2022年から)。役員としての勤続が5年以下の役員は、残りの全額に課税されます。たとえば勤続3年で退職金500万円なら、控除120万円を引いた380万円のうち、300万円までは半分の150万円、超えた80万円はそのまま足して230万円に課税されます。
iDeCoの一時金と退職金を両方受け取るときは?
同じ年に受け取ると、勤続年数の長いほうで控除を1回だけ使います。iDeCoを先に受け取って、その後に会社の退職金を受け取る場合は、間を10年以上(2026年1月1日以後の受け取り分。以前は5年)あけないと、掛金を出した期間と勤続期間が重なる年数の分だけ退職金の控除が減ります。退職金を先に受け取ってiDeCoを後に受け取る場合は、iDeCoを受け取る年の前年以前19年以内に受け取った退職金と期間が重なると控除が減ります。重なる年数がわかる人は、このツールの「重なる年数」に入れてください。
住民税はいつ払いますか?
退職金の住民税は、ほかの所得と分けて、受け取るときに所得税と一緒に天引きされます(市町村民税6%・道府県民税4%)。給料の住民税のように翌年に払うものではありません。ただし、年の途中で退職した人は、前の年の給料にかかる住民税の残りを、退職のときにまとめて天引きされるか、自分で払う必要があります。